×

ニュース

被爆体験 語り手144人に 16年度 原爆資料館調査 6人減

 広島市内の団体に所属し、2016年度に1回以上被爆体験の証言活動をした被爆者の実数が少なくとも144人であることが、原爆資料館(中区)の調査で分かった。初めて調べた15年度の150人に比べ、6人減少した。同館は今後も継続して調査する方針。

 今回は、証言活動に取り組む広島市の16団体と廿日市市の1団体、広島平和文化センター(中区)に登録している「被爆体験証言者」を対象に6月に調査を実施。15年度に実績のなかった3人が16年度に活動した一方、実績のあった9人は活動がなかった。広島市と廿日市市の各1団体は、該当者がいなかった。

 同館によると、144人のうち、現時点で4人の死亡が判明。残る140人のうち17人は、証言ビデオと被爆体験記がないという。啓発課は「高齢化が進む中、貴重な被爆体験を後世に残してもらいたい」。資料館による証言ビデオの収録や、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)による被爆体験記の代筆事業の活用を呼び掛けている。(野田華奈子)

(2017年9月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ