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艦載機移転で新事業 防犯対策・子育て支援・日米交流… 岩国市 定例会に提案へ

 岩国市の米海兵隊岩国基地への空母艦載機の移転開始に絡み、市は5日開会予定の市議会定例会に、防犯対策や子育て支援、日米交流などの新規事業を相次いで提案する。移転を巡り国に財源措置を求めた施策や、米軍関係者の増加を見据えた動きが具体化する。(松本恭治)

 防犯対策では基金を積み立て、自治会が設置・管理する防犯灯の電気料金助成を拡充する。一律で1灯当たり年900円としていた補助額に、発光ダイオード(LED)灯は450円、蛍光灯などは1200円上乗せする方針。2018年度からは全額を補助する予定という。

 さらに、早ければ18年度から順次設置する防犯カメラの場所や台数、仕様などを検討するための基本計画も策定する。

 18年度から予定する小中学校の給食費無償化に向け、新たな学校給食管理システムを構築。食材費やシステム管理費に充てる基金を新設する。

 これらの事業費には防衛省の交付金を充てる予定。福田良彦市長は「(艦載機受け入れを巡って)国と協議を重ね、財源の見通しが立った。住みよく、安心安全なまちづくりへ前進する」とアピールする。

 艦載機移転では、米軍人と軍属、家族計約3800人も岩国基地に移る。その受け皿として、同市愛宕山地区には全262戸の米軍家族住宅が完成。米軍と市民が共同使用する運動施設エリアの整備も進んでいる。

 市は、運動施設エリアで7月末に完成した野球場のオープニングイベントを予定。運動施設を利用した日米交流行事も計画する。時期や内容は調整中という。18年2月末に完成予定の陸上競技場で使う計測機器などの備品もそろえる。

 基地を活用した英語教育も推進し、基地内でのホームステイなどを検討する。17年度一般会計補正予算案に各事業の関連経費を盛り込んでいる。

<空母艦載機移転に関連する岩国市の主な新規事業>

防犯灯の電気料金の助成拡充など 4200万円
防犯カメラ設置の基本計画策定 300万円
給食費無償化に伴うシステム構築 2500万円
愛宕山野球場のオープニングイベント 300万円
愛宕山運動施設を利用した日米交流行事 200万円
愛宕山陸上競技場の競技用備品の整備 5000万円
基地を活用した英語教育の推進 300万円

(2017年9月2日朝刊掲載)

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