土山さん死去 広島の被爆者ら悼む 「核廃絶へ責任感」「寂しい」
17年9月4日
核兵器廃絶運動を引っ張ってきた被爆者で元長崎大学長の土山秀夫さんが2日、92歳で亡くなり、運動を共にした広島の被爆者団体や関係者にも悲しみが広がった。
「被爆者、研究者として先頭に立たなければという責任感にあふれ、尊敬できる方だった」。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(78)は悼む。1990年代後半、核兵器廃絶の世界的キャンペーン「アボリション2000」などで土山さんと共に活動。「外務省との話し合いの場でも、ひるむことなく論理立てた意見を主張され、心強かった」と思い起こした。
長崎では、反核運動をけん引した長崎原爆被災者協議会長の谷口稜曄(すみてる)さんが8月30日に88歳で亡くなったばかり。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(75)は「核廃絶に向けて長年取り組んできた方を相次いで失い、寂しい」と惜しんだ。
もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(72)は「病理学の専門家として、被爆者に寄り添った方。核兵器のない世界を見たかっただろう。その悔しい思いをわれわれが受け継いでいかなければいけない」と気持ちを新たにした。(滝尾明日香、畑山尚史)
(2017年9月3日朝刊掲載)
「被爆者、研究者として先頭に立たなければという責任感にあふれ、尊敬できる方だった」。市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(78)は悼む。1990年代後半、核兵器廃絶の世界的キャンペーン「アボリション2000」などで土山さんと共に活動。「外務省との話し合いの場でも、ひるむことなく論理立てた意見を主張され、心強かった」と思い起こした。
長崎では、反核運動をけん引した長崎原爆被災者協議会長の谷口稜曄(すみてる)さんが8月30日に88歳で亡くなったばかり。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(75)は「核廃絶に向けて長年取り組んできた方を相次いで失い、寂しい」と惜しんだ。
もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(72)は「病理学の専門家として、被爆者に寄り添った方。核兵器のない世界を見たかっただろう。その悔しい思いをわれわれが受け継いでいかなければいけない」と気持ちを新たにした。(滝尾明日香、畑山尚史)
(2017年9月3日朝刊掲載)