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「暴挙許せぬ」「対話必要」北朝鮮核実験 被爆者ら怒りと不安

 北朝鮮が6回目の核実験を強行した3日、山口県内の被爆者たちからも憤りや懸念の声が上がった。県庁では担当者が情報収集に当たり、村岡嗣政知事や岩国市の福田良彦市長は「許し難い」「暴挙だ」と指弾した。

 県原爆被爆者支援センターゆだ苑の岩本晋理事長(74)は「あきれて何も言えない」とする一方、日本政府の対応について「圧力ばかりでは北朝鮮がいつ暴発するか分からない。核実験をさせず、ミサイルを撃たせないための対話の努力が必要だ」と指摘した。岩国市原爆被害者の会の山田英子さん(82)は「怒りを通り越してあきれる。対話が通じない相手なのかもしれないが、戦争にならないようにしてほしい」と話していた。

 県防災危機管理課では一報を受け、職員6人が情報収集に当たった。繁永俊之課長は「異常があればすぐに県民に知らせる。Jアラートなど安全対策の周知も図る」とした。環境政策課によると、県内5カ所のモニタリングポストの空気中の放射線量は3日午後5時半時点で異常はないという。

 岩国市での政治資金パーティーに出席した村岡知事は「許し難い行為で憤りを感じる。周囲に不安や危険をもたらす行為には強く抗議したい」と述べた。米軍基地を抱える同市の福田市長も、「国には市民の不安が大きくならないよう、毅然(きぜん)とした対応を取ってもらいたい」と話した。

 村岡知事と柳居俊学県議会議長は連名で同日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に宛てて、核実験の強行に抗議し、二度と実施しないよう求める抗議文を郵送した。(折口慎一郎、馬上稔子、原未緒)

(2017年9月4日朝刊掲載)

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