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広島出身者中心にボランティア開催 JICA原爆展100回目

 国際協力機構(JICA)のボランティアが世界各国で開いている原爆展が100回を迎えた。広島県出身者が中心になり、広島や長崎の原爆被害や街の復興をパネルやDVDで伝え、平和を願う心を広げている。

 100回目は8月、廿日市市出身の原まみほさん(27)たちが中南米エルサルバドルの教会で開いた。原爆投下直後の様子などのパネル30枚を展示し、約100人にスペイン語で内容を説明した。

 原さんは「広島の出身と言うと『爆弾の街か』と言われ、語り継がなければという意識が芽生えた」。JICA現地事務所を通じ、先輩ボランティアからノウハウや資料を引き継いだ。

 これまでアジアやアフリカ、ヨーロッパなど55カ国で開いた。初回は2004年の中南米ニカラグア。同国に広島市安佐南区の小坂法美さん(35)たち広島出身者が偶然4人集まったことから、「自分たちだからできることを」と発案したという。

 広島平和文化センター(広島市中区)からポスターを借りた。約4千人が来場し、「なぜやり返さないのか」などの質問も受けたという。小坂さんは当時を振り返り、「広島に生まれ育ったことで世界に平和の尊さや希望を伝えられると気付かされた」と語る。

 28日~10月9日には広島市留学生会館(南区)で、原爆展の様子を伝えるパネル展「ヒロシマをもっと世界に伝えたい!」がある。無料。午前9時~午後9時(日曜は午後5時まで)。月曜休館。(新谷枝里子)

(2012年9月26日朝刊掲載)

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