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「廃絶運動に水差す」 広島 被爆者団体が反発

 自民党の石破茂元幹事長が日本国内への米軍核兵器の配備論に言及した6日、核兵器廃絶を訴え続けている広島の被爆者団体からは反発や発言の影響を懸念する声が上がった。

 「日本も持たざるを得ないという流れになりはしないか」。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之副理事長(75)は、石破氏の発言によって核兵器を保有するハードルがなし崩し的に下がらないか危惧。「政権与党の人間が簡単に発言してもらっては困る。核兵器廃絶の運動に水を差す」と怒りをにじませた。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(72)は「非核三原則は堅持するべきなのに、日本が被爆国であるという認識が抜け落ちている。廃絶の流れに逆行しており、世界平和には結び付かない」と批判を強めた。

 石破氏は過去の中国新聞の取材で「核兵器は絶対使ってはいけない兵器」と強調する半面、「相手国に核兵器を使わせないためどれだけ抑止力を持つかが極めて重要」とも発言。原発技術の維持によって、核兵器を造ろうと思えば一定期間に造れる「潜在的抑止力」の必要性も指摘していた。(野田華奈子)

(2017年9月7日朝刊掲載)

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