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隠岐でミサイル避難訓練 情報伝達1万5000人緊迫

警報音 観光客に戸惑いも

 朝鮮半島に近い島根県隠岐の島町で6日にあった弾道ミサイル飛来を想定した住民避難訓練。情報伝達の対象は町民や観光客ら約1万5千人に及んだ。町の全児童、生徒ら約2千人が参加した、全国でも最大規模の避難訓練は緊迫した雰囲気に包まれた。(小林正明)

 訓練は町内全11小中学校、県立学校3校、県隠岐支庁、町役場であった。10時20分、全国瞬時警報システム(Jアラート)の警報音の後、ミサイル発射を伝える放送が流れた。同町原田の中条(なかすじ)小では、児童が約5分間、教室中央で身を固めた。

 5、6年の担任、若本鈴子教諭(46)は「もう少しだから頑張って」などと16人に声を掛けた。同28分、ミサイルの落下位置が確認された後、全校児童47人が教室から体育館へ2次避難した。

 「冷静にできた。サイレンの音は不気味だった」と6年井上佳史君(12)。佐々木隆校長(58)は「子どもがパニックになる状況を避けることが大事。危機意識を高くしないといけない」と話した。

 一方、周知されていない観光客には戸惑いも。奈良県斑鳩町から来た女性(67)は「浄土ケ浦でサイレンを聞き、何かあったのかと思った。訓練とはいえ、怖いなと感じた」と驚いた様子だった。

 終了後、県防災部の勝野尚直防災危機対策監は「課題などを整理し、全市町村に情報提供する」と述べた。

(2017年9月7日朝刊掲載)

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