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原爆症認定の見直し議論 厚労省の検討会

 厚生労働省の原爆症認定制度の在り方に関する検討会の第15回会議が27日、省内であった。現行制度の認定要件である原爆と病気との関連(放射線起因性)の判断をどう見直すか議論した。

 前回会議で示された「現行制度の改善」「制度を廃止し被爆者手当を創設」など三つの選択肢を念頭に議論。制度廃止を求める日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長は、放射線起因性を1人ずつ認定するのではなく、研究で放射線との関連が認められた病気などをあらかじめ法令で定め、かかれば基本的な手当に加算する仕組みを主張した。

 これに対し、現行制度の改善を訴える複数の委員が「起因性のボーダーラインにある事例を全て認めると広げすぎるのでは」などと疑問を呈し、慎重な議論を求めた。

 一方、全被爆者に基本的な手当を支給する被団協提案の考えに「慰謝」の観点から1人の委員が賛意を示した。

 座長の神野直彦東京大名誉教授は次回も、選択肢ごとに認定要件など具体案を詰める方針を表明。「議論を丁寧に積み上げ、1年をかからずに(報告書を)上げたい」と話した。(岡田浩平)

(2012年9月28日朝刊掲載)

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