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被爆・復興巡る3ルート 広島市 ピースツーリズムで提示

 平和をテーマにした観光周遊「ピースツーリズム」の推進に向け、広島市は11日、被爆者や平和、観光関連の各団体の代表者たちでつくる懇談会(9人)の第3回会合を開いた。原爆、平和関連の施設や場所を巡る三つのルート案を初めて提示。今後、委員が現地の視察などをして固める。

 被爆建物を巡るルート(約10キロ)は原爆ドーム(中区)が起点。旧広島大理学部1号館(同)など10カ所を訪れる。市民生活の復興を感じてもらうルート(約8キロ)は旧市民球場跡地、お好み村、世界平和記念聖堂(いずれも中区)などを経てマツダスタジアム(南区)に至る11カ所。

 もう一つは、被爆前後の文化・文学に触れるルート(約12キロ)。縮景園、広島城(いずれも中区)、市現代美術館(南区)など15カ所を訪ねる。所要時間は各4時間半~8時間で、徒歩やレンタサイクル、観光周遊バスを利用。委員の意見や関係者の聞き取りを基に、49カ所のポイントからルートを絞り込んだ。

 この日の会合では委員から「あの日」の被爆者の動きを追体験できるルート設定などを求める意見が出た。被爆者で元原爆資料館長の原田浩座長(78)は「訪れてもらう場所では中身のある内容を提供する必要がある。より具体的にしていきたい」と述べた。(渡辺裕明)

(2017年9月12日朝刊掲載)

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