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戦没画学生の思い130点 16日から呉で「無言館」展

 呉市幸町の市立美術館の特別展「無言館 遺された絵画展」が16日から始まる。太平洋戦争によって志半ばで亡くなった画学生や画家の作品約130点を紹介する。同美術館や中国新聞社などの主催。11月19日まで。

 竹原市出身の画家手島守之輔(1914~45年)は臨時召集された広島で被爆し、31歳で亡くなった。特別展では手島の特集展示の一角を設け、「自画像」などを公開する。現在の東京芸術大を卒業し、23歳で戦病死した太田章(1921~44年)の「妹・和子の像」など他の戦没者の作品も並べる。

 展示は、長野県上田市にある美術館「無言館」の所蔵作品が中心。無言館は作家窪島誠一郎さんが全国の遺族を訪ね、戦争の犠牲となった画学生たちの遺作、遺品を収集し、展示している。

 呉市立美術館の渡辺千尋学芸員は「大切な家族や故郷を描き続けることを望んだ画学生の思いを感じてほしい」と話している。

 午前10時~午後5時。火曜日休館。入館料は一般千円、高校・大学生600円、小中学生400円。同美術館☎0823(25)2007。(益田里穂)

(2017年9月12日朝刊掲載)

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