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「岩国での訓練認めぬ」 艦載機離着陸 村岡知事が強調

 米海軍厚木基地(神奈川県)で今月上旬に5年ぶりに実施された空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)を受け、山口県の村岡嗣政知事は13日の記者会見で、米海兵隊岩国基地(岩国市)での訓練の可能性に懸念を示し「岩国での実施は容認できない」との考えをあらためて示した。

 米軍は4日間、激しい騒音を伴うFCLPを、台風の影響を理由として訓練地の硫黄島(東京)に代わり厚木基地で実施。これまで岩国基地も悪天候時の予備施設に指定されており、山口県や岩国市は岩国基地で実施しないことを艦載機受け入れの前提条件とした。

 村岡知事は艦載機移転後、岩国基地で実施される可能性を「心配している」とし、「国や米側にあらゆる機会を通じ、岩国でFCLPを行わないよう粘り強く求めたい」と強調した。

 厚木基地でのFCLP実施は13日の岩国市議会の一般質問でも取り上げられ、市側は「岩国基地での実施は認められない」との考えを重ねて示した。

 村岡知事はまた、岩国基地を離陸した米軍垂直離着陸輸送機オスプレイが大分空港(大分県国東市)へ緊急着陸するなど事故やトラブルが相次ぐ状況に、「住民に大きな不安を与え大変遺憾。強い危機感を持ち国や米側は対処してほしい」と求めた。(和多正憲、松本恭治)

(2017年9月14日朝刊掲載)

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