×

ニュース

オスプレイ 普天間飛行場座り込みルポ 沖縄搬入 怒りの「鎖」

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場周辺は28日、座り込む住民と強制排除を試みる警察との間で一時騒然となった。岩国市の米海兵隊岩国基地に搬入されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備先。「沖縄の痛みを本土は分かっていない」「岩国がもう少し頑張ってくれたら」という沖縄の強い怒りが目に飛び込んできた。(大村隆)

 座り込みは飛行場北側第1ゲート前で午前9時すぎに始まった。約80人の警察官が取り囲む。一方、参加者約120人はゲートに背を向けて座り、封鎖状態に。「配備断固反対」「基地を封鎖、撤去に追い込むぞ」などと声を上げ、泣きだす女性もいた。

 警察官は3、4人で参加者を1人ずつ抱えてゲート前から排除しようとした。参加者は腕を組み合って抵抗し「弾圧やめろ」「沖縄人同士でなぜ争うのか」などと叫び声を上げた。激しいやりとりは台風の影響で解散した夕方まで続いた。

 座り込みを指揮した沖縄平和運動センターの山城博治事務局長(60)は「岩国は一時駐機だからといった意識がみえみえ。沖縄の人々は怒っている。ずっと沖縄が負ってきた安保の痛みを分かってほしい」と話していた。

 飛行場東側の第3ゲートでも早朝に抗議集会があり、那覇市の翁長雄志市長は集会後に「岩国市が国の安全性確認を評価したのは沖縄にとって大変迷惑。岩国に配備し、安保の負担を沖縄だけでなく、全国で考える契機にすればいい」と話した。

(2012年9月29日朝刊掲載)

年別アーカイブ