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オスプレイ 試験飛行「違反なし」 山口県・岩国市に回答

 山口県岩国市の米海兵隊岩国基地に搬入されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、中国四国防衛局は28日までに、日米合同委員会の合意に違反する試験飛行をしているのではないかという山口県と岩国市の照会に対し「合意に反するものではないと考える」などと回答した。

 21~23日に①下関市市街地や山口県周防大島町の上空を飛行②垂直離着陸モードで米軍施設・区域外の岩国市今津川上空を飛行―の目撃情報が寄せられ、県と岩国市が24日、防衛局に照会していた。

 防衛局は27日、①について「具体的なルートの詳細は米軍の運用に係る事項で承知していない」と答えた。②も飛行の詳細は承知していないとし「基地の陸地部分以外で垂直離着陸モードで飛行することが合意に反するものとなることはない」としている。

 23日に飛行を目撃し、県を通じて回答を聞いた元県議の久米慶典さん(56)は「合意事項厳守を前提とする日本政府の安全宣言は完全に破綻している」と批判した。

 県総務部基地担当の小松一彦理事は28日の県議会一般質問で「飛行に違反はないというが、その理由が明確でないところもある」と述べ、内容を精査してあらためて国に照会する考えを示した。(酒井亨、金刺大五)

(2012年9月29日朝刊掲載)

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