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国連フェロー広島研修30年 外交官延べ773人 軍縮や核廃絶学ぶ

 軍縮の専門家を育成する国連の「軍縮フェローシップ計画」に参加している25カ国の若手外交官が29日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。被爆地での研修は、ことしで30回目。参加者は原爆資料館の遺品や被爆者の証言に接し、原爆被害への理解を深めた。(藤村潤平)

 核保有国の中国やインドをはじめ、キューバや日本など各国から1人ずつ参加。原爆ドームや原爆資料館を見学し、原爆慰霊碑に花を手向けた。国内外の5400都市が加盟する平和市長会議など被爆地が主導する核兵器廃絶への取り組みも学んだ。

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、被爆者の松島圭次郎さん(83)=佐伯区=の証言を英語で聞いた。アルジェリアの外交官モハメド・ラミネ・シアリさん(27)は「軍縮に関わる人にとって、広島は重みのある場所。核兵器廃絶や世界平和のため、ますます汗をかきたい気持ちになった」と話していた。

 軍縮フェローシップ計画は1979年に始まり、広島市での研修は83年から毎年続いている。延べ773人の外交官が参加し、元研修生が政府代表として8月6日の平和記念式典に出席するケースも出ているという。

(2012年9月30日朝刊掲載)

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