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森本順子さん死去 85歳 被爆者の絵本作家

 被爆者でオーストラリア在住の絵本作家の森本順子(もりもと・じゅんこ)さんが21日、脳腫瘍のためシドニー近郊の病院で死去した。85歳。広島市出身。葬儀・告別式などは未定。

 広島女学院高女に在学中の13歳の時に現在の広島市西区三篠町の自宅で被爆、家屋の下敷きになったが助かる。多くの生徒たちは建物疎開に動員中に被爆死した。大阪で中学校の美術教師をした後で1982年にシドニーに移住。絵本作家としての活動を始めた。

 87年には友への慰霊の気持ちも込めて被爆体験や広島の惨状、そして復興までを描いた絵本「わたしのヒロシマ」を出版した。2010年には日英両語版も発行、古里の広島やオーストラリアの学校などで平和教材に使われてきた。自身も同国で証言活動を続けた。

(2017年9月22日朝刊掲載)

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