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シュモー氏が愛用 生活再建 支えた金づち 協力の男性が寄贈

 戦後の広島で被爆者のために住宅を建てた米国人平和活動家、故フロイド・シュモー氏愛用のハンマーが広島市へ寄贈された。建設を手伝った山本勇三さん(80)=東区=が譲り受け、保管していた。市は11月1日、原爆資料館(中区)の付属展示施設としてオープンする「シュモーハウス」(中区江波二本松)に展示する。

 ハンマーは長さ約33センチ。「CRAFTSMAN(職人)」と米国の工具ブランドの名が刻まれている。

 シュモー氏は1949~53年、被災した被爆者の住宅と集会所を市内3地区に計21棟建てた。山本さんは当時、「英語の勉強に」と建設現場に出入りするようになった。53年、東区牛田地区で最後の住宅が完成後、ハンマーを譲り受けたという。

 市は、シュモー氏が手掛けた建物で唯一現存する集会所をシュモーハウスとして活用し、広島の復興を支えた外国人の関連資料を展示する。山本さんは開館を知り、寄贈を決めた。「シュモーさんの思いやりに満ちた人柄と多大な功績を知ってほしい」と話している。(田中美千子)

(2012年10月1日朝刊掲載)

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