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原爆・空襲 仏で証言 投下後の生活 若者らが関心

 大阪大空襲と広島原爆に遭った浜恭子さん(86)=大阪府茨木市=が、フランス・リヨン近郊にあるボーアンブラン市の空手クラブの若者たちに招かれ、被爆体験を証言した。ボーアンブランの市長や市民ら約180人を前に、空襲と被爆体験について語った。

 大阪大空襲があった1945年3月13日、浜さんは水に漬けたこたつ布団を母とかぶって、火の粉が降り注ぐ中、逃げた様子を説明した。その後、母の古里の広島に避難していた同年8月6日、爆心地から約1・2キロの上流川町(現中区上幟町)で被爆。家の梁(はり)が落ちて背中に大けがを負いながら母、祖母と逃げたと振り返った。

 参加者からは「原爆投下後、何を食べていたのか」「結婚、出産したか。子どもに影響はなかったか」などの質問が出た。浜さんは被爆後、島根県に避難するまで飲まず食わずだったことを紹介。結婚して4人の子どもを授かり、1人に原因不明の甲状腺異常があると答えた、という。

 大学1年フロリアンヌ・キルムセールさん(18)は「学校では原爆投下の日を覚えるだけ。浜さんの話を聴いて、核兵器がどういうものか分かった」と話していた。

 被爆者の証言会は、広島・長崎の原爆に関心を持ち、核兵器や軍縮について学んでいる空手クラブの10、20代メンバーが主催。フランス平和市長会議が支援した。(二井理江)

(2012年10月1日朝刊掲載)

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