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四国五郎 反戦の画業に光 東京・横浜 「おこりじぞう」原画など

 広島市を拠点に制作し、没後3年を経た画家四国五郎(1924~2014年)に光を当てる展覧会が東京、横浜で相次いで開かれる。愛情あふれる母子像や、原爆を描いた名作絵本「おこりじぞう」など、反戦平和を訴えた画業を振り返る。

 東京都練馬区のギャラリー古藤で23日から始まるのは、広島市で清掃員をしながら絵を描くガタロさん(67)と四国の作品による「師弟展」(10月22日まで)。ガタロさんは、四国の創作姿勢に引かれて師と仰ぎ、30年に及ぶ交流を続けた。

 展示は計約50点。四国が終生のモチーフにした母子像の秀作や、ガタロさんが清掃道具や広島の川を描いた絵などを出展する。

 同展は10月26日~11月26日、横浜市青葉区の「スペースナナ」にも巡回する。いずれも入場料300円、高校生以下無料。期間中、ガタロさんたちを招いたギャラリートークもある。ギャラリー古藤☎03(3948)5328、スペースナナ☎045(482)6717。

 また、東京都世田谷区の区立平和資料館は10月1~29日、「四國五郎展 『おこりじぞう』とシベリア抑留」を開く。

 四国は徴兵されて旧満州(中国東北部)で終戦を迎え、48年11月に復員するまでシベリアで抑留生活を送った。「おこりじぞう」の原画に加え、抑留体験を基にした絵や、遺品などを紹介する。無料。同館☎03(3414)1530。(鈴木大介)

(2017年9月22日朝刊掲載)

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