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平和市長会議の現地事務所 カザフのセメイ市、開設

 旧ソ連の核実験で100万人以上が被曝(ひばく)したカザフスタンのセメイ市は、政府や東カザフスタン州と共同で、加盟している平和市長会議の現地事務所を市庁舎内に開設した。核兵器廃絶に向け、取り組みを強めていく。

 事務所は、市長室のある5階に3月に新設し、職員が1人常駐。L字形の室内の壁面には、世界地図やハトに「Peace(ピース)」と書いた平和市長会議のロゴマークなどが配してある。

 事務所開設について平和市長会議の会長を務める松井一実広島市長からは「世界の安全保障の実現に向け、協力関係を強化することになる」とのメッセージを受け取った。

 今は、平和市長会議のキャンペーン「都市を攻撃目標にするな(CANT)プロジェクト」への賛同署名集めを展開し、核の悲劇について学ぶ平和教育を州内の学校に導入した。国が同市内に計画中の「平和博物館」の建設にも協力する。

 責任者のカイラット・イブラエフさん(22)は「被爆地広島と連携し、核兵器廃絶を目指して積極的に活動したい」と話していた。カザフ国内の平和市長会議加盟都市は14。うち10都市が東カザフスタン州にある。

 平和市長会議事務局(広島)によると、フランスのマラコフ市にも事務所があり、国内の加盟都市の平和活動を取りまとめている。セメイ事務所の開設について「リーダー都市として、まとめ役になってもらえるよう期待している」としている。(増田咲子)

(2012年10月1日朝刊掲載)

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