×

ニュース

オスプレイ普天間配備 岩国でも抗議活動

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備に反対する市民の抗議活動が1日、米海兵隊岩国基地周辺と正門であった。

 基地北側の堤防道路では夜明け前から市民らが集結。基地駐機場のオスプレイをにらみ「オスプレイは米国に帰れ」などと訴えた。

 基地正門では、前日9月30日の反対集会で採択した、沖縄配備反対などを求める緊急声明受け取りを基地側が拒否。市民らは読み上げた声明文を基地内の地面に置き、オスプレイの沖縄到着後は「オスプレイ飛ばすな」などと書かれたプラカードを手に座り込んだ。

 地元住民団体の岡村寛世話人代表(69)は「配備されたオスプレイは毎月飛んできて低空飛行をする。一部地域ではなく全国問題になる」と憤った。

沖縄の怒り 思い涙 岩国出身大川さん

 垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備を、岩国市出身の大学2年大川祈(いのり)さん(21)=東広島市西条町=はうっすら涙を浮かべた目に焼き付けた。「なぜ国民の声を聞いてくれないのか」。この2カ月間で2度訪れた沖縄。そこで感じた憤り、やるせなさ。沖縄の人たちを思うと強い悲しみが込み上げた。

 この日は午前4時40分に岩国基地北側の堤防道路へ。基地にとどまる12機のオスプレイをにらみながら「沖縄配備反対」「岩国からも出て行け」と心の底から声を張り上げた。

 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場周辺での座り込みや、約10万人が集まった9月9日の沖縄県民大会に参加。オキナワの強い意志と怒りに触れ「岩国が沖縄への配備、全国での訓練の道筋になっては申し訳ない」と感じた。オスプレイはしかし、この日朝、ごう音とともに半数の6機が岩国を飛び立った。

 米兵の犯罪など基地問題に取り組む岩国市の市民団体代表大川清さん(54)の長女。父の背中を見て育ち、基地の町が抱える問題と向き合ってきた。「基地がない岩国から基地がない沖縄へ旅するのが夢」と言い切る。

 普天間配備は強行されたが「まだ諦めるわけにはいかない」。オスプレイによる事故が起きる前に、配備が撤回されるよう運動を強める考えだ。(堀晋也)

(2012年10月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ