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宍道断層 39キロで了承 規制委 再稼働審査前進も

 原子力規制委員会は29日、中国電力島根原発2号機(松江市)の審査会合を開き、原発近くにある宍道断層の評価を東に14キロ延ばし、39キロとすることで了承した。審査の焦点となっていた断層の長さが固まり、再稼働に向けて今後審査が加速する可能性がある。

 中電の担当者はこの日の会合で日本海の海底の音波探査データを示し、宍道断層と鳥取沖西部断層が連動しないと説明した。規制委側は説明資料を分かりやすくするよう一部修正を求めたが、両断層が連動しないとの説明は妥当として、宍道断層を39キロで了承した。

 宍道断層は原発の南約2・5キロにある活断層で、長さをどう評価するかが原発設備の耐震設計にも大きく影響する。これまで長さが決まらず、審査が停滞していた。中電は規制委が指摘した大幅な延長を受け入れ、審査の前進を図った形になる。

 断層の存在や長さを見直すのは、建設当時を含めると5回目。審査申請時は22キロと評価していたが、昨年1月に西端を延ばして25キロに延長していた。

 断層の延長により、想定される地震の最大の揺れの強さ「基準地震動」が上がる可能性がある。設備の追加工事が必要になれば、安全対策費が膨らむ見通し。

 次回以降は長さ39キロを前提にして、基準地震動の確定に向けて議論する。基準地震動が固まれば、原発設備の審査が本格化し、審査は最終盤に向かうとみられる。(河野揚)

(2017年9月30日朝刊掲載)

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