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東岷氏開院 被爆者医療・平和活動の舞台 原田病院が閉院 老朽化病床減

 被爆者医療や平和活動に尽くした外科医、原田東岷氏(1912~99年)が開いた広島市中区広瀬町の原田病院が30日、閉院する。

 長男で現院長の義弘さん(80)によると、68年建築の鉄筋6階の建物が老朽化。入院から在宅へと誘導する医療政策の影響で入院患者も減り、近年は病床数を段階的に減らしていたという。

 軍医だった東岷氏は台湾から復員後の46年11月、「焼け野原に病院を」と現在地で開院。木造の建物で、被爆者のやけどやケロイドの治療に尽くした。68年の建て替え後は、ベトナム戦争(60~75年)で負傷した孤児を招き、病棟に住みながら学校へ通わせるなど、平和活動の舞台となった。

 義弘さんは「患者さんに励まされて父が病院を大きくしてきたが、時代の流れに逆らえなかった。長年の厚情に感謝したい」と話す。(馬場洋太)

(2017年9月30日朝刊掲載)

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