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伝承や保全 広島で議論 記憶遺産登録目指す朝鮮通信使

 朝鮮通信使の寄港地だった自治体、団体が集う伝承保全会議が3日、広島市中区のホテルであった。駐広島韓国総領事館(広島市南区)主催。通信使関連資料が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に今秋にも登録されると期待される中、各地の活動や対応を議論した。

 福山、呉、下関市、山口県上関町の自治体関係者や日韓親善協会、在日本大韓民国民団(民団)メンバーたち約40人が参加。徐張恩(ソ・ジャンウン)総領事が「平和を大事にする通信使の精神を今に生かし、地域発展のきっかけにしたい」とあいさつした。

 福山市の担当者は登録の機運を盛り上げるため、鞆町で今月、通信使船を模した渡船の運航や関連資料を展示する特別展があることなどを報告。「登録が決まれば盛大なイベントをしたい」と述べた。15日に通信使再現行列を控える呉市下蒲刈町の蘭島文化振興財団は、概要や地域の取り組みを紹介したうえで、「共同事業で資料の巡回展をしてはどうか」と提案した。

 下関市では登録を見据えて11月に記念イベントを計画。ゆかりの地が集う全国交流会を来年11月に開く上関町は、観光資源化を図ることなどを説明した。

 意見交換では、下関―福山市を結ぶ海上観光ルートの開拓や共同ホームページ設立などの提案があった。会議は各地の情報交換や連携を図るため2014年から開いている。(見田崇志)

(2017年10月4日朝刊掲載)

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