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セシウム規制値強化 販売食品「基準以下が前提」 広島で意見交換会

 水産物や農産物など食品に含まれる放射性セシウムの基準値を国が4月に新たに定め、自治体などは食品中の放射性物質の検査データを公表している。実態を学ぼうと、広島消費者協会が専門家を招いて先月下旬に広島市中区で開いた意見交換会では、今も不安を感じるとの声が多く聞かれた。

 講演したNPO法人食品保健科学情報交流協議会の関澤純理事長は「事実を知り、自ら選択できる消費者になってほしい」と助言。検査数値の公表が進む一方で「分かりやすい数値の説明が必要」と指摘し、監視は長期化する見通しを示した。

 消費者庁消費者安全課の石川一課長補佐は「新基準」を説明。食品中の放射性セシウムによる被曝(ひばく)線量は以前の暫定規制値「上限年間5ミリシーベルト」を「同1ミリシーベルト」に厳しくした。超えると出荷できない基準値は「飲料水」1キログラム当たり10ベクレル▽「牛乳」同50ベクレル▽「一般食品」同100ベクレル▽「乳幼児食品」同50ベクレル。石川課長補佐は「販売されているものは基準値以下が前提。安心してほしい」と述べた。

 質疑で参加者は「汚染食品が加工されて市場に出回る可能性は」などと質問。石川課長補佐は「原料でも加工品でも全ての段階で基準をクリアする必要があり、加工品の汚染は考えにくい」と答えた。「風評被害につながらないよう徹底した検査を」「乳幼児向け食品の表示は明確に」などの要望も出た。(広田恭祥)

(2012年10月4日朝刊掲載)

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