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米軍機 目撃・苦情が6倍 島根県、騒音測定器設置へ

 島根県西部で相次ぐ米海兵隊岩国基地(岩国市)米軍機の低空飛行について、県は3日、1~6月の目撃と騒音苦情の件数が前年同期比で約6倍の336件に上ったことを明らかにした。県は11月にも西部3市2町の計9カ所に1台ずつ騒音測定器を設置。訓練中止の要望に向け、被害の実態を客観的なデータで裏付ける。(樋口浩二)

 目撃・苦情件数は1~6月の182日間のうち、約4割の79日(前年比2・5倍)で3市3町の職員と住民から寄せられた。エリアは県西部に集中。浜田市が最多の197件と全体の58・6%を占め、邑南町51件(15・2%)江津市42件(12・5%)益田市35件(10・4%)川本町8件(2・4%)飯南町3件(0・9%)だった。

 急増の要因を県は「市町による情報収集の強化に加え、訓練自体が増えている可能性もある」とみる。国を通じて米軍に引き続き訓練中止を訴えるため「説得力のあるデータを根拠として示す必要がある」(消防防災課)として、測定器設置を決めた。事業費は数百万円を見込む。

 測定器は目撃件数が多い浜田、益田、江津市と邑南、川本町の市役所や公民館の屋上などに設ける。24時間態勢で騒音の発生時間と回数、音量を記録する。

 浜田市は昨年12月、約70万円を投じて旭支所の屋上に独自に測定器を設置した。県が設置する機器と同型で、1~9月の集計値によると、計24日で飛行に伴う騒音を感知。最大の音量は、電車が通過する際の線路脇の音量に匹敵する97・6デシベルに達した。

(2012年10月4日朝刊掲載)

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