×

ニュース

広島の加盟団体喜び 「活動進める励みになる」

 「おめでとう」「核兵器廃絶へ弾みがつく」。ノーベル平和賞にICANが決まった6日、被爆地広島から加わる団体の関係者からも喜びの声が上がった。

 アートで核廃絶を訴える若者グループ「プロジェクト・ナウ」代表の安彦恵里香さん(38)は広島市中区で経営する平和カフェでネット中継に見入り、訪れていた人たちと拍手した。

 「すごいこと。自分も励みになる」。4年前にノルウェーであったICAN主催の市民フォーラムで絵画展を開いたのを機に加盟した。「日本政府も核兵器禁止条約を批准するよう、自分でもキャンペーンを始めたい」と前を見据えた。

 東区の広島県医師会館では、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部の片岡勝子事務総長(73)が興奮を隠せなかった。1985年にノーベル平和賞を受けたIPPNWはICANの発足を導いた生みの親の団体であり、日本支部として加盟している。

 「かつてIPPNWへの平和賞が米ソの核軍縮を促した。今後はICANが国際政治に大きな影響力を持ち、核兵器保有国へのプレッシャーになる」と期待する。ただ「根幹には被爆者一人一人が訴え続けてきた体験の持つ力がある」と被爆者団体が対象にならなかった点を残念がった。

 ICANには、広島・長崎両市の提唱で世界7400以上の都市が集う平和首長会議も国際パートナーとして加わる。三次市を拠点に平和活動するスティーブン・リーパーさん(69)が広島平和文化センター理事長時代、働き掛けたという。

 「核保有国へのノーベル委員会の反発といえる。広島をはじめ日本国内に住む人たちが核の問題を考え、核の傘に入る日本政府の姿勢に怒りが沸くよう意識を変えないといけない」とリーパーさんは話した。(山本祐司、桑島美帆)

(2017年10月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ