×

ニュース

戦後の岩国 あの人は今 元駐留英軍兵 15日来訪

 終戦直後に岩国市に進駐していた元英軍兵士のレイ・グレイナーさんから、同市横山の岩国美術館に手紙が届いた。今月15日に岩国を訪問すると書かれ、当時暮らした場所や世話になった日本人の名前をつづっている。同館の館員たちは「なぜ美術館宛てだったのか分からないが、役に立ちたい」とゆかりの人などを探している。(堀晋也)

 手紙は9月28日に届き、館員の靍崎(つるさき)朝美さん(51)が和訳した。手紙によると、英エセックス州在住のグレイナーさんは、1946年から英国の兵隊として2年間岩国に駐在。近所の「ヨシモト」という男の子に世話になったとし、暮らした家が並ぶ通りなどの名前を教えてほしいと依頼している。基地やダンスホールなど当時の施設を記した手書きの地図も同封されていた。

 グレイナーさんは今月15~25日に息子たちと日本旅行をするため、15日に岩国に立ち寄る予定。同館事務長の亀谷直毅さん(64)と靍崎さんは、期待に応えられないかと、資料を探したり、地元住民に聞いたりした。しかし、突き止められたのはダンスホールが同市岩国3丁目にあったことだけという。

 グレイナーさんは90歳前後とみられ、亀谷さんたちは「数十年ぶりの来日で思い出はいろいろあるのだろう。頼ってもらった縁もあるので何とか役に立てれば」と情報を求めている。同館Tel0827(41)0506。

終戦後の岩国
 1945年9月に米海兵隊が進駐し、旧日本軍の岩国飛行場を接収。翌46年には英、豪の空軍などの混成部隊である英連邦空軍と米空軍が進駐し、主導権を英空軍が握る。48年に同飛行場は英豪空軍基地となるが、同軍が52年に撤退して米空軍基地に。55年に米海軍基地となり、58年に管理権が米海兵隊に移る。

(2012年10月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ