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島根1号機 中電 重ねて廃炉否定 知事不快感

 中国電力は4日あった島根県議会総務委員会で、定期検査で停止中の島根原発1号機(松江市鹿島町)は40年以上の運転が可能とした上で「廃炉の計画はない」との見解をあらためて示した。これに対し、溝口善兵衛知事は「(運転期間は)中電が決める話ではない」と述べ、不快感を表明した。

 総務委で、中電島根原子力本部の古林行雄本部長が、運転開始から38年半を経過した1号機について「劣化した設備は順次取り換えている。十分にまだ活用できる原子炉」と強調。40年を超えて運転しても技術的に安全が保たれると説明した。

 一方、溝口知事は同日の定例会見で「(運転期間の)枠組みは政府が決める。電力会社はその中で電力供給を行うもの」と指摘。「政府の見解が具体的に決まらない中、誤解を招く発言は適当でない」と批判した。

 ただ溝口知事は「40年運転の厳格運用」を柱とした政府の新エネルギー政策に対し「どう厳格かが明快でない」とも発言。現時点では「40年即廃炉」を意味しないとの認識も示した。

 溝口知事の発言に対し、中電は「総務委では技術的に可能との考えを示した。国の方針には真摯(しんし)に対応し、安全対策に反映させる」としている。(樋口浩二)

(2012年10月5日朝刊掲載)

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