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広島県被団協 マレーシアの原爆展に証言者2人派遣

■記者 森田裕美

 県被団協(金子一士理事長)は、マレーシアのクアラルンプールで13-18日に開かれる原爆展に、被爆直後に降った「黒い雨」の体験者の高東征二さん(68)=広島市佐伯区=と、被爆二世永原富明さん(62)=呉市=を派遣する。2人は7日に市役所で会見し、抱負を語った。

 原爆展は日本原水協が主催し、核兵器廃絶に積極的な姿勢を取るマレーシア政府が後援。マハティール前首相が議長を務める非政府組織が受け入れる。

 会場のマレーシア国際イスラム大には日本被団協などが作成した被爆の実情を伝える写真パネルを展示。2人は知人から借りた被爆資料を携えて訪問し、会場や周辺の学校などである集会に参加。マハティール前首相との対面も予定している。

 黒い雨指定地域の拡大を目指す運動を続ける高東さんは「直接被爆だけでなく、内部被曝(ひばく)などをもたらす核兵器の恐ろしさをしっかり伝えたい」。被爆体験を語らないまま8年前に亡くなった父親について話す永原さんは「原爆とはいかなるものか、父の思いを代弁し、戦争の悲劇を理解し合いたい」と語った。

(2009年1月8日朝刊掲載)

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