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教え子と復興期 述懐 ジョーゲンセンさん 60年ぶり再会「感無量」

 復興期の1954~56年に広島大で英会話を教えた米国カリフォルニア州のリチャード・ジョーゲンセンさん(92)が16日、同大本部があった広島市中区の東千田キャンパスで、約60年ぶりに市内に住む教え子4人と再会した。教え子捜しを伝える4日付の本紙記事をきっかけに実現した。(桑島美帆)

 集ったのは教育学部や文学部の学生だった幸田美枝子さん(81)、大田千鶴子さん(81)、山碕郁子さん(80)、稲田勝彦さん(79)。同キャンパスの東千田未来創生センターで対面を果たした。ジョーゲンセンさんは「こうして会えて、本当にうれしい」と感無量の面持ちだった。

 米国から持参した当時のアルバムの写真を見ながら4人は「黙っているのが美徳と教えられていたから、初めて外国人の先生を前にして緊張した」と学生時代を懐かしんだ。

 それぞれが、卒業後の半生を恩師に報告した。英語教諭、原爆傷害調査委員会(現放射線影響研究所)職員、母校の教授―。ジョーゲンセンさんは「みなさんが立派な人生を歩み、誇りに思う」と笑顔を見せていた。

 ジョーゲンセンさんは米国アジア財団による復興支援の一環で、英語講師として被爆地広島に派遣された。17日には同大の越智光夫学長を訪問する。

(2017年10月17日朝刊掲載)

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