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火炎弾訓練 米軍実施を確認 再発防止求める声

 広島県北広島町の上空で11日に目撃された「火の玉」の正体が確認された。米海兵隊岩国基地所属のFA18戦闘攻撃機が対空ミサイルの命中を防ぐ訓練で射出した火炎弾「フレア」だったと、米軍側から防衛省に報告があった。同省は17日、陸地上空の訓練自粛を文書で申し入れ、小野寺五典防衛相は「住民が不安を覚える訓練は決して適当ではない」と述べた。

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 地元からは再発防止を求める声が相次いだ。町役場では、中国四国防衛局の宮川均企画部長たちが箕野博司町長(62)に面会。「訓練は地元に影響を生じない高度で行われた」などとする米側の回答を伝え、陸地上空での訓練自粛を申し入れたと説明した。

 箕野町長は「安全な高度と言われても、住民からすれば分からず不安になる」とし「低空飛行も含め、安心安全を脅かす訓練は絶対に避けてもらいたい」と強調。町側は、訓練の目撃が相次いだ雄鹿原地区への騒音測定器の設置を求めた。

 11日に訓練を目撃した同町雄鹿原地区の上新博則区長会長(63)は中国新聞の取材に「低空飛行だけでも不安や怖さを感じている。国は住民の思いを米側に伝えてほしい」と話した。

 防衛局は広島県にも経緯を説明し、西中国山地の訓練空域で初めてフレア発射訓練を確認したとの見解を示した。

(2017年10月18日朝刊掲載)

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