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上関埋め立て免許延長申請 町長、一定の評価 

 中国電力が上関原発の建設予定地の埋め立て免許の延長申請に踏み切ったことを受け、山口県上関町の柏原重海町長は「地元の意向などを中電が総合的に判断された」と冷静に評価した。一方で、周辺自治体の首長たちは県の判断に注目しているとしながらも慎重な言い回しに終始した。(浜村満大、上木崇達、久保田剛)

 町役場で記者会見した柏原町長は「地元の意向や国のエネルギー政策などを総合的に判断してほしいと(中電に)伝えてきた。それを踏まえた判断と思う」と評価した。ただ「中電は現状維持をしたいとの思い。すぐに工事が再開するわけではない。一喜一憂するべきではない」とも強調した。

 周防大島町の椎木巧町長は「知事の意向や国のエネルギー政策が不確定な現状を考えると、今回の申請自体には違和感がある」と受け止めた。

 9月の市議会で「現状では上関原発に賛成できない」との立場を明らかにしていた光市の市川熙市長。この日は「事業者が知事に対して行った行為にコメントをする立場ではない」と慎重な口ぶりに終始した。

 田布施町の長信正治町長も「申請の是非についてコメントする立場にない」としつつ、「国のエネルギー政策の方向性がつかめない。速やかに具体的な政策を示すべきだ」と述べた。

 柳井市の井原健太郎市長は「今後の県の対応、国の動向などを注視する」。平生町の山田健一町長も「県の判断を見守っていく」と言葉少なだった。

 判断を委ねられた形の山本繁太郎知事はこの日、延長を認めない意向を重ねて表明。「国の施策が明確でなく、土地利用計画も整理することができない現時点では、延長許可はありえない」と断言した。

(2012年10月6日朝刊掲載)

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