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「放影研移転に全面協力」 広島市医師会 市有地に新会館検討

 日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の移転に向け、市総合健康センター(中区千田町)にある検査施設を移すよう市から打診されていた市医師会が、隣接する市有地との等価交換を念頭に「移転実現に全面的に協力する」と市に伝えたことが20日、明らかになった。老朽化した市医師会館(西区)を市有地に新築移転する方針。

 市は、市と市医師会が所有する健康センターのうち、医師会が2~4階で運営する検査施設に新たな医師会館へ移転してもらい、空いたスペースへ放影研が入る移転案を描く。昨年11月、医師会に放影研移転への協力を依頼していた。

 これに対し医師会は11日付の文書で、健康センターに隣接する市有地(約7千平方メートル)に新会館を整備して検査施設を移転する検討をしていると市に報告。健康センターの敷地・建物のうち医師会の所有分と市有地の等価交換を要望した。

 市有地は広島大工学部の跡地で1986年に放影研の移転用地として取得。現在は千田公園の一部になっている。市原爆被害対策部調査課は「移転実現に向けた意義深い報告。必要な協議、調整を進めたい」としている。

 放影研移転を巡り、厚生労働省は来年度予算案で調査費として1千万円を新たに要求した。市の案を軸に、必要経費や精密機器の移転方法を調べる。(野田華奈子)

(2017年10月21日朝刊掲載)

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