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被爆建物水彩画 藤登さんが寄贈 広島市教委に290点

 広島市内に残る被爆建物などを水彩画で描くアマチュア画家の藤登弘郎さん(81)=安芸区=が25日、市教委に作品290点を寄贈した。小学校の平和教育に役立ててほしいと願っている。

 原爆ドーム(中区)をはじめとした被爆建物、アオギリなどの被爆樹木、原爆死没者の慰霊碑などで、2006~15年に描いた。この日、藤登さんは中区役所で市教委の担当者と面会。「原爆の悲惨さを次世代の子どもたちに伝える材料にしてもらえれば」と、作品を託した。

 藤登さんは、銀行を定年退職後に水彩画を始めた。被爆建物が取り壊されていく状況を知り、約10年前から「無言の証人」を描く。「高齢にもなり、家に置くより資料として使ってもらいたい」と寄贈を決めた。

 市教委は「藤登さんが絵に込めた思いとともに学校に届け、授業で活用させていただく」としている。(野田華奈子)

(2017年10月26日朝刊掲載)

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