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サーローさんら出席へ 平和賞授賞式 ICANが発表

 今年のノーベル平和賞に決まった国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))は26日、ノルウェー・オスロで12月10日にある授賞式典に広島市南区出身の被爆者サーロー節子さん(85)=カナダ・トロント市=と日本国内在住の被爆者2人の計3人が出席すると発表した。サーローさんはICANのフィン事務局長と共に登壇して受賞演説をし、記念メダルと賞状を受け取る予定。

 同日、広島市役所で記者会見したICANの川崎哲(あきら)・国際運営委員によると、国内在住の2人は日本被団協に人選を依頼した。ICAN側が出席者の名簿をノーベル賞委員会に提出し、個別に招待状が届く。ICAN全体では数十人規模になり、川崎氏をはじめ国際運営委員や国際事務局スタッフ、核実験被害者が出席する。

 ICANは被爆者と連携して核兵器の非人道性を発信し、核兵器禁止条約制定に貢献したと評価された。現地では式典に前後して関連行事が開かれるほか、海外メディアからの取材依頼も相次いでいるという。川崎氏は「授賞式を通じて被爆者の存在を最大限アピールし、広島、長崎のメッセージを世界に伝えたい」と話す。

 川崎氏はまた、市役所で松井一実市長に面会。来年前半にも、広島、長崎両市などと連携し、禁止条約や平和賞受賞の意義を広めるシンポジウムなどを開きたい考えを伝えた。(岡田浩平)

(2017年10月27日朝刊掲載)

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