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朝鮮通信使の船 精巧模型で再現 呉の小荒田さん

 呉市清水の元海上自衛官小荒田次雄さん(86)が、朝鮮通信使船の精巧な模型を手作りした。通信使の関連資料は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)への登録を申請。小荒田さんは早くも次作の構想を練り、新たな資料の公開にも期待している。

 模型は長さ40センチ、幅11・2センチ、帆を含む高さは35・3センチ。サイズは実物の85分の1に相当する。いかりは糸で上げ下げできる。観音扉は薄さ0・5ミリの部品を貼り合わせる細かさだ。

 製作は3月から始めた。呉市下蒲刈町の文化施設松濤(しょうとう)園内にある展示模型などを参考にした。

 「世界に一つしかないものを自分の手で作りたい」。市販の帆船模型では物足りず、2006年から自ら設計図を引いて模型を作っている。

 小荒田さんは「今後はさらに、通信使への注目度が高まる。韓国では船を実物大で復元する計画が進んでいるという。次の模型作りに生かしたい」と意気込んでいる。(益田里穂)

(2017年10月27日朝刊掲載)

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