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「核の非人道性 広めたい」 ICAN川崎さん 広島で受賞報告

 核兵器禁止条約の制定に貢献し、今年のノーベル平和賞に選ばれた国際非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の川崎哲(あきら)・国際運営委員(48)が26日、広島市で被爆者やNGO関係者たちに受賞を報告した。「禁止、廃絶へ努力してきた全ての人に向けられた賞」と語り、喜びを分かちあった。

 中区のカフェには、川崎さんが共同代表を務めるNGOピースボート(東京)の大型客船で各国を巡りながら証言をした被爆者たち約30人が集った。2008年から10回の航海に計約170人が参加したといい、川崎さんは苦労話を交え、感謝の気持ちを伝えた。

 10年に乗船した南区の被爆者児玉光雄さん(85)は「受賞は素晴らしい。この機に、人間を骨の髄まで痛めつける核兵器の非人道性を広めたい」と話した。

 中区のビルでは平和活動に取り組む地元団体が祝いの会を開催。川崎さんを含め19人が参加した。「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(78)は「大きな国際キャンペーンなしに禁止条約は実現しなかった。これからも一緒に頑張りたい」と前を向いた。(岡田浩平)

(2017年10月27日朝刊掲載)

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