×

ニュース

上関原発建設 規制委に反対表明へ 経産相、工事認めぬ方針

 中国電力が公有水面埋め立て免許の延長申請をした上関原発(山口県上関町)について、枝野幸男経済産業相は9日の閣議後会見で、経産相として原子力規制委員会による工事認可に反対の意見を表明することで、建設を認めない方針を示した。今後、上関町に政府方針を説明し、中電の意向も確認をする。

 原発の許認可権限は規制委に移ったが、本体着工に必要な工事認可を止めて「新増設は行わない」とする政府方針を実現する考え。上関以外で計画中の8基も、同様に建設を認めない方針をあらためて示した。

 枝野経産相は、中電による延長申請は「現状維持が目的と理解している。(上関原発が)新増設を行わない原則の対象なのは明確だ」と強調。工事認可の前の段階で、規制委から経産相の意見を求められる手続きを挙げ「当然、『建設すべきではない』という意見を出す」と説明した。

 最終的に計画を止めるには「(代替の)地域振興策などを立地自治体と丁寧に議論、調整する。1、2カ月の議論でどうこうできる話ではない。事業者の意向も把握したい」との見解も示した。上関町については「(町側の)要請がなくても今後、国から説明をする必要がある」とした。

 ただ、枝野経産相は政権交代による政策変更の可能性を否定しておらず、依然、流動的な面は残る。中電は「建設断念は現時点で考えていない。政府の動向を注視しながら対応したい」とし、計画推進の姿勢を変えていない。(山本洋子、東海右佐衛門直柄)

(2012年10月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ