×

ニュース

核禁止条約巡り討議 広島市が国連軍縮会議概要 不拡散や教育など5テーマ

 広島市は1日、市内で29、30両日にある国連軍縮会議の概要を発表した。主催する国連アジア太平洋平和軍縮センターが、核兵器禁止条約の推進国と反発する核保有国双方へ参加を呼び掛けており、政府高官や専門家たち50人規模になるという。原爆被害の実態を踏まえ、「核兵器なき世界」の実現への方策を話し合う。

 会場は、中区の広島国際会議場。開会行事で国連の中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)があいさつする。討議では禁止条約制定を受けた「核軍縮・不拡散の見通し」、「軍縮・不拡散教育」など5テーマを取り上げ、広島県被団協の坪井直理事長(92)もメッセージを発する。参加者は初日に原爆資料館を見学し、被爆者の体験証言を聴く。

 市は8月、外務省を通じて「保有国と非保有国の対話の場に」と開催の打診を受けた。具体的な参加者は、国連が調整中という。

 松井一実市長はこの日の記者会見で「有意義な知見や提案を発信する場になれば」と強調。禁止条約制定に貢献し、ノーベル平和賞を受ける非政府組織(NGO)核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))からも「出てもらいたい」と述べ、参加に期待感を示した。

 両日、市民も無料で聴講できる。希望者は24日(必着)までに各区役所などにある申込用紙に必要事項を記し、ファクスで市平和推進課に申し込む。各回先着150人。同課☎082(242)8872。(水川恭輔)

(2017年11月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ