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九電に31万キロワット融通 1・2月 中電、供給余力を確保

 中国電力は12日、九州電力に来年1、2月、31万キロワットを電力融通すると発表した。原発停止により九州地方で電力不足の懸念があるため。中国地方の供給余力を示す予備率は今冬、島根原発(松江市)が稼働しなくても最低6・3%で、安定供給できる見通し。

 中電から九電への融通は昨冬、今夏に続き実施。中電は「九州地方の電力安定に協力したい」としている。大飯原発3、4号機が再稼働した関西電力への融通は見送る方向。

 中国地方では今冬は、数値目標を伴わない一般的な節電要請となる見通し。予備率は原発が稼働せず九電へ電力融通をする前提で、厳冬の場合は1月に6・3%、2月に7・7%。平年並みの気温の場合は1月9・3%、2月10・6%となる。

 中電は火力発電の補修時期をずらし、冬場の稼働を増やして供給力を高めるが「電力供給に余裕があるわけではない」と説明。「引き続き無理のない範囲で節電をお願いしたい」としている。

 火力発電の燃料費が増えるため、中電の経営は厳しくなる見通し。同社は2013年3月期業績を「未定」としているが、「純損益は600億円を超える赤字で、将来の値上げが不可避」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)との見方もある。(東海右佐衛門直柄)

(2012年10月13日朝刊掲載)

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