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平和関連や注目監督作 24~26日 広島国際映画祭 オダギリジョーも登壇

 「広島国際映画祭2017」が24~26日、広島市中区のNTTクレドホールをメイン会場に開かれる。広島ゆかりの作品や、世界の主要映画祭で注目される監督の作品など多彩な38本を上映。監督や俳優を国内外からゲストに招き、魅力を発信する。(鈴木大介)

 広島関連のプログラム「ヒロシマEYE」では、戦時下の広島、呉を舞台にし、ロングランヒットしたアニメ映画「この世界の片隅に」のバリアフリー版(日本語字幕や音声ガイド付き)を公開。片渕須直監督と、声優として出演した呉市出身の俳優栩野(とちの)幸知によるトークショーもある。

 「ミリキタニの猫 特別編」は、少年時代を広島で過ごし、米ニューヨークの路上で絵を描き続けた日系人画家、故ジミー・ツトム・ミリキタニさんの生涯をたどる。キューバ革命の指導者チェ・ゲバラと共にボリビアで戦った日系人フレディ前村を描いた「エルネスト」は、ことしのヒロシマ平和映画賞を受賞。上映後に阪本順治監督と主演のオダギリジョーが登壇する。

 国際短編映画コンペティションには6本がノミネート。グランプリや観客賞などを競う。ことしのロカルノ国際映画祭に出品された近浦啓監督の作品は、中国から来日した技能実習生が主人公。日本からメキシコに移住して写真店を営む男性のドキュメンタリーなども並ぶ。

 招待作品も見応えがある。昨年のカンヌ国際映画祭で上映されたアルベルト・セラ監督の「ルイ14世の死」(日本初公開)は、王の最期を通して死や老いを考えさせる。「ヒロシマ・モナムール」の脚本を手掛けたマルグリット・デュラス原作の「太平洋の防波堤」や、音楽家を輩出する土地を探訪する「茅ケ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN」などもある。

 フランス・パリ郊外である短編映画祭「コテクール」特集では、ジャック・リベット監督による初期の3作などを紹介する。市映像文化ライブラリー(中区)は、ルイ・デリュック監督の「洪水」「エルノアへの道」を、無声映画ピアニスト柳下美恵さんの生演奏で届ける。

 前身の「ダマー映画祭inヒロシマ」から数えてことしで9回目。主催する実行委員会の部谷京子代表は「節目の来年に向けてステップアップする映画祭にしたい」と話す。

 1日券2千円(前売り1500円)、中学生以下無料。市映像文化ライブラリーは1作品ごとの料金(510~380円)でも鑑賞できる。映画祭事務局☎082(228)5226。

(2017年11月4日朝刊掲載)

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