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「原発ゼロ 近い将来」 小泉元首相、周南で講演

 脱原発を掲げる小泉純一郎元首相(75)が6日、周南市の市文化会館で、使用済み核燃料の処分やコストなど原発を巡る問題について講演した。中国電力上関原発(山口県上関町)建設計画に反対する団体などでつくる会が主催。市内外の1714人が集まった。

 小泉氏は首相時代、エネルギー資源を輸入に頼る日本の活路に、コストが安いとされる原発を推進。しかし、東京電力福島第1原発事故後、安全性に疑問が湧いた。除染作業や廃炉へのコスト、フィンランドの使用済み核燃料の処分施設見学で処理の難しさも知り、脱原発に。「学びが足りず、必要と言ってしまった」と振り返った。

 事故後、原発がほとんど稼働していない点に触れ、「ゼロでもやっていける証拠」と指摘した。割に合わないと撤退する海外事業者の例や、発展を続ける自然エネルギーも紹介。「野党が全部(原発に)反対しだした。(首相次第で)近い将来、原発ゼロで自然エネルギーという方針が決まると思う」と強調した。

 講演後、上関原発建設計画にも言及。「(新設は)考えられない。莫大(ばくだい)なお金と時間がかかり、しかも危険がある。祝島などの長年の反原発運動に敬意を表したい」と話した。(堀晋也)

(2017年11月7日朝刊掲載)

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