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梅林氏 核のない未来賞 ピースデポ特別顧問

 核兵器廃絶や核不拡散など世界の非核化に尽力した個人、団体に贈られる「核のない未来賞」の2017年受賞者に、国際平和関連の調査活動をするNPO法人ピースデポ(横浜市)の梅林宏道特別顧問(80)が選ばれた。ドイツの財団が主催する賞で、日本の個人、団体が受けるのは5例目。

 梅林氏が表彰されたのは、核廃絶に向けた3部門のうち「問題解決」部門。日本と韓国、北朝鮮が核弾頭を使用、配備しないと約束し、それに米国、中国、ロシアが協力する6カ国の枠組み「北東アジア非核兵器地帯」構想を提唱してきたことなどが評価された。

 核のない未来賞は、ドイツ・ミュンヘンに本部を置く財団が1998年、地道で先駆的な非核化活動に光を当てる目的で創設。日本では、2007年に平和市長会議(現平和首長会議)とその代表だった当時の秋葉忠利広島市長が受賞するなど4例の実績がある。

 梅林氏は「核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮の状況があって表彰されたと思う」と受け止める。「非核兵器地帯の構想は実現困難と思われがちだが、北朝鮮問題の解決策になり得ることをまずは市民世論に訴えていきたい」と話している。(野崎建一郎)

(2017年11月7日朝刊掲載)

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