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在外被爆者側の訴え棄却 広島地裁 慰謝料など認めず

 広島で被爆した男性が、米国居住を理由に健康管理手当の受給権を認められなかったのは不当として、亡くなった男性の妻が慰謝料など120万円を国に求めた訴訟の判決が8日、広島地裁であった。小西洋裁判長は「男性が広島で被爆した証拠がない」として、請求を棄却した。

 小西裁判長は、放射線影響研究所(放影研)に保管されていた男性の被爆記録や男性が書いた手紙などを検討。男性が1945年3月、呉海兵団(呉市)への配属などを命じられたことは認定したが、「原爆投下時の所在は不明」と指摘した。生前の男性の話などから「広島市の南観音町の工場で海軍仲間と被爆した」とした原告側の主張についても、「可能性にすぎず、裏付けを欠く」と退けた。(有岡英俊)

(2017年11月9日朝刊掲載)

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