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立花誠一郎氏死去 96歳 カウラ事件生き証人

 戦時中、オーストラリアの日本兵捕虜収容所で起きたカウラ事件の生存者で、ハンセン病元患者の立花誠一郎(たちばな・せいいちろう)氏が7日、瀬戸内市邑久町虫明の国立療養所邑久光明園で死去した。96歳。名古屋市出身。葬儀は関係者で営まれた。

 陸軍通信兵として東部ニューギニアを転戦した後に投降し、豪カウラで収容中発病。捕虜約200人が死亡した1944年の集団脱走暴動は隔離された天幕から目撃した。戦後は復員したが、帰郷できないまま51年から邑久光明園で療養生活を送った。晩年は講演などを通じてカウラ事件の証言を続けたほか、収容所で手作りした木製トランクを、国の戦傷病者史料館・しょうけい館に寄贈した。

(2017年11月10日朝刊掲載)

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