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貝類17種 絶滅危惧指定 上関原発予定地周辺 「守る会」が照合

 中国電力の上関原発建設計画に反対する環境保護団体「長島の自然を守る会」は15日、予定地と周辺海域に生息する貝類17種が環境省の希少な野生生物種リスト「レッドリスト」絶滅危惧種として新たに指定に加わったことを明らかにした。

 守る会によると、17種のうち、建設地近くの磯で確認されたナガシマツボやヤシマイシンなど6種が絶滅の危機にひんするⅠ類、セムシマドアキガイなど11種類が絶滅の危険が増大しているⅡ類の指定という。

 また、生息条件の変化によっては絶滅危惧種に移行する可能性がある「準絶滅危惧種」にもタニシツボなど15種程度が指定されたという。

 指定は環境省がことし8月に実施した見直しに伴う。守る会と、生物学者らでつくる日本生態学会上関問題要望書アフターケア委員会(委員長・安渓遊地県立大教授)が、予定地の田ノ浦湾や近海の共同調査などで確認した貝類とリストの改訂版を照合した。

 守る会の高島美登里代表は「あらためて予定地が希少生物の宝庫と証明された」としている。中電上関原発準備事務所は「予定地で確認した動植物とリストとの照合を進めている。結果を踏まえ、必要に応じて適切な環境保全措置を取る」としている。(久保田剛)

(2012年10月16日朝刊掲載)

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