×

ニュース

可部の原爆慰霊碑移設 管理継ぐ住民ら除幕式

 広島市安佐北区可部町上原の山中にあった「可部地区原爆被爆者慰霊碑」が可部東の寺山公園に移され、9日、除幕式があった。従来の木柱に加えて石碑を建てた。

 石碑は高さ1・3メートル、幅1・4メートル、奥行き1・3メートル。被爆死し、眼下の河川敷で焼かれた百数十人の冥福を祈り、「未来永劫(えいごう)風化されることなく、平和でありつづけることを願っています」と刻んだ金属板を取り付けている。土台には河原の石を敷き、木柱は隣に立てた。

 式典には、慰霊碑の管理を引き継ぐ「寺山公園をつくろう会」や、石碑を寄贈した広島可部ライオンズクラブなどから約60人が出席。つくろう会の遠北(えんきた)剛会長(83)が「可部で起きた惨劇を受け継ぎ、核兵器の廃絶、戦争のない平和な国づくりを願う」とあいさつした。

 移設は碑を管理してきた市原爆被爆者協議会可部支部が会員の高齢化によって3月で活動を休止したのが契機となった。支部長だった明賀千鶴子さん(83)は「公園を訪れる人の目に留まり、遠のきつつある原爆の悲惨さを後世へ伝える礎になる」と期待した。(山田英和)

(2017年11月10日朝刊掲載)

年別アーカイブ