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通信使 日韓の絆確認 「世界の記憶」登録 広島で祝賀会

 朝鮮通信使に関連する記録が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたのを受け、広島市中区のホテルで10日、祝賀会が開かれた。自治体や国際交流団体の代表者、日本と韓国の大学生たち約90人が講演などを楽しんだ。

 韓国・釜山大で通信使を研究する韓泰文(ハン・テムン)教授が、通信使派遣の背景や歴史、経由地などについて解説。「12回の来日のうち11回は呉市下蒲刈島に寄港するなど、広島との縁は深い。瀬戸内海の各地で活発な文化交流があり、両国の親善に道筋をつけた」と評価した。

 通信使が立ち寄った福山市と呉市、山口県上関町の関係者たちも登壇。「通信使の知名度を高めるため、官民の協力が欠かせない」「次世代に歴史を伝え、理解を深めてもらう工夫が必要だ」などと呼び掛けた。

 駐広島韓国総領事館(南区)が主催した。徐張恩(ソ・ジャンウン)総領事(52)はあいさつで「登録は、両国がより良い絆を築く好機。平和の使者だった通信使の精神を未来に受け継いでいきたい」と語った。(栾暁雨)

(2017年11月11日朝刊掲載)

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