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被爆ピアノ 平和奏でる 東広島で日系米国人3世

 東広島市西条町大沢地区にゆかりがある日系米国人3世の音楽家スコット・ナガタニさん(57)が15日、同地区の向陽中で被爆ピアノの演奏を披露した。約400人の生徒を前に平和の願いを込めた音色を響かせた。

 ロサンゼルスで作曲や演奏活動をしているナガタニさんは、日系3世で演奏仲間の歌手ケイコ・カワシマさん(48)とともに「ふるさと」や「春が来た」など10曲を弾いた。被爆時計を表現した米国人詩人アーサー・ビナードさんの詩をカワシマさんが朗読し、ナガタニさんが自作の曲を奏でた。

 生徒はお礼に先輩が作詞した「ふるさと向陽」を合唱した。

 約100年前に祖父母が同地区から米国に移住したのが縁で今回の演奏会が実現した。被爆ピアノは広島市安佐南区のピアノ調律師矢川光則さん(60)から借りた。

 ナガタニさんは「音楽を通じ日米の平和の懸け橋になりたい」と再訪を誓っていた。(境信重)

(2012年10月16日朝刊掲載)

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