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未来へ擦り取る被爆遺構 広島市内3ヵ所 岡部さん展覧会

 被爆遺構の凹凸を鉛筆で紙に擦り取るフロッタージュ作品などで知られる美術家、岡部昌生さん(75)=北海道=の展覧会が14日、広島市内の三つのギャラリーで始まった。「わたしたちの過去に、未来はあるのか」と題し、19日まで。

 岡部さんは2007年、イタリアのベネチア・ビエンナーレ国際美術展に、旧国鉄宇品駅プラットホーム(南区)の被爆縁石のフロッタージュを出展。10年たつのを機に本展を開いた。

 ギャラリーG(中区)の壁いっぱいに宇品駅の作品を展示。戦時中に兵士を送り出したホームの「加害」と、ヒロシマの「被害」を伝える。ギャラリー交差611(同)の作品は、イタリアの街角の落書きなどを生かした。GalleryNode(東区)には、パリの版画工房の床などを基にした作品が並ぶ。

 ギャラリーGでは岡部さんのトークが連日あり、最終日の午後1時からは写真家の港千尋さんと対談する。(治徳貴子)

(2017年11月15日朝刊掲載)

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